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女性の地位 2

 前回の記事。
 有力雑誌の編集者たち。
 スコット・モリエーロだけじゃなく大西も取材してやれよ(笑)という意見がありましたが、大丈夫です。ちゃんと取材してもらっています。

 これは別冊BT/美術手帖 コミッカーズ

img014 (3)

 この時期、美術手帖はアメリカの現代美術、村上隆などについて日本で唯一、正確な報道をしていました。
 さすが、です。

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女性の地位

 日本のアート界で女性の地位がまだまだ低い、ということを前に書きました。

 かつて、ニューヨークの有力なアート・パトロン(支援者)であり、注目されるメディア企業の経営者でもあるスコット・モリエーロが度々、日本を訪れている、という噂が立ちました。
 スコットは来日すると九段下の大西の家に必ず寄る、という情報をつかんだ有力雑誌の編集者たちが大西宅でスコットを待ち伏せしていたことがあります。
 これが、その時の写真です。

IMG_0474.jpg

 フィガロ・ジャポンとPENの佐藤文美、美術手帖の紫牟田伸子、スタジオ・ボイスの鈴木真子、などなどです。

 この写真を見て何か感じませんか?
 そうです。
 全員、女性なのです。

 スコットは当時、あの村上隆のニューヨークにおける後援者としても知られていましたから、直接インタビューが取れれば大変なスクープなのです。
 アメリカにおける日本のアニメ人気。村上隆。現代美術。
 最もタイムリーな話題におけるVIP(重要人物)が来日している。
 そのことに気づいて行動を起こしているのが全員、女性なのです。

 もっとはっきり言えば、当時、ほとんどの男性編集者にはスコットの来日の重要性も、アメリカにおける日本のアニメ人気も、また、村上隆や現代美術のことも全く理解できていなかったのです。

 もうひとつ。
 紫牟田伸子は美術手帖の副編集長。鈴木真子はスタジオ・ボイスの副編集長。
 二人とも、その上に男の編集長がいるのです。
 この二人は男の編集長より明らかに優秀でしたが、女性差別の見えない壁、いわゆるガラスの天井があり、当時、編集長は名目上やはり男性が務めていたのです。

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 さて、この夜、とうとうスコットは現れませんでした。

 本来、スクープを狙うライバル同士、しかも全員がほぼ初対面というシビアな状況にもかかわらず、夜遅くまで粘りに粘っているうちに、出されたお酒や料理に酔っぱらって、全員が打ち解けて、むしろ仲良くなってしまった、というのも驚くべきことでした(笑)

 これは2000年代、まだインターネットが完備する前の、日本の雑誌文化の最も素晴らしく、微笑ましいエピソードの一つだったと思います。
 

さよなら九段下ビル 16

「さよなら九段下ビル」のバナー(垂れ幕)。

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FC2ブログへようこそ!画家の大西信之です。日本とアメリカのファインアートとポップカルチャーに興味があります。最初は自分の仕事、ゆくゆくはその他の事柄についても取り上げていきたいと思います。

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