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村上隆とスコット・モリエーロ 2

 スコットの会社が上手くいかなくなったのには、いくつかの理由があります。
 同業他社が増え、競争が厳しくなったこと。
 K-POP(韓国のポップ・カルチャー。主に音楽)がアメリカで急速に台頭し、J-POP(主にアニメ)の客を取られたこと。
 しかし、一番の原因はスコットの長年の夢であったオリジナル・アニメの制作に乗り出したことでしょう。
 本格的な日本風のアニメを作るため、日本のアニメ制作会社にも声をかけていましたが、制作費がどんどん膨らみ、結局ペイできず、会社の経営を苦しくさせていったのです。

 ボルチモアの大西のアート・ショーも二転三転して結局、取りやめになりました。
 日本とアメリカで電話とFAX(FAX!? 大西がパソコンを買ったのは2012年です)で随分とモメたことを覚えています。
 悲しいことですが、最終的にスコットとは随分と激しく言い争ってしまいました。

 しかし、ある時期、スコットが大西のことを応援してくれていたことは確かなのです。
 今でも、スコット・モリエーロには心の底から感謝しています。

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村上隆とスコット・モリエーロ

 スコットと初めて会った頃、村上隆の話をよく聴かされました。

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 当時、日本の美術評論家が村上隆のフィギュアをボーメが作っていたことすら知らなかったのと対称的に、ボーメのことはもちろん、村上の日本画家時代のことも非常によく知っていました。
 (村上隆は現代美術を始める前は、東京芸大出身の非常に正統的な日本画家でした)
 「村上はあの素晴らしい日本画を止めてしまうのは本当に惜しい」
とよく言っていました。
 ボーメと日本画家としての村上隆を高く評価していました。
 大西が村上隆のことをよく知っているのは、フィーチャー・インクのハドソンとこのスコットの話をよく聞いていたからです。

 村上の名声が上がるのと反比例するように、スコットの会社の経営は苦しくなって行きました。
 しかし、最後まで「村上隆の日本画は本当に素晴らしい」とスコットは言っていたのです。

アニメ・ノース 3

 IKEAで買いそろえたフレームもピッタリハマリ、展覧会の準備も無事、終わりました。
 オープニング・セレモニーはすさまじい人の数です。

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 LAのアニメ・エキスポもそうですが、これ程の大観衆の前で大西が話をすることは日本ではまず、考えられません。
 そのくらい、欧米の日本ブームはすごいのです。
 TV出演や現地のアーチストとの対談、新聞の取材などがあり、カナダにおけるこの「アニメ・ノース」というイベントの位置づけがいかに高いかがよく解ります。

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 アメリカやカナダのアーチストとのトーク・セッション。

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 色っぽい(笑)インタビュアー。

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 アメリカにおける人種(レイス)ということを大西は度々このブログに書きますが、スコットの会社は全員がイタリア系です。

 ニューヨークのフィーチャー・インクのハドソン(月別アーカイブ2014/12参照)もイタリア系ですが、一見同じように見える白人の中でもイタリア系は非常に独特です。
 アート、ファッションに強く、もちろんピザ屋(笑)や映画でおなじみのギャング(アル・カポネを始めマフィアは皆、イタリア系です)も非常に有名です。
 スコットのスタッフも全員が黒ずくめで似た感じの精悍な男たちが集団で素早く動く様子は「アート・マフィア」などと陰でウワサされています。
 日本人にも似た義理人情のようなものがあり、一度信用した人間とはずっと長く信頼関係が続きます。

 「アニメ・ノース」の開催中に早くもボルチモアで次の大西のアート・ショーをやることが決まりました。
 この時期、スコットが最も推していたアーチストは大西だったのです。
 幸運だったと思います。

 スコットが応援していたアーチストの中には、あの村上隆がいます。
 

アニメ・ノース 2

 「アニメ・ノース」はフランスの「ジャパン・エキスポ」と同じくアメリカの「アニメ・エキスポ」をお手本にして始まったものです。
 会場のトロント・コングレス・センターは驚く程巨大な施設で、アメリカ以上?という感じです。

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 LAからすでに送ってあった作品に加え、日本から持っていった新作を現地で額装するつもりだったのですが、額屋(フレーム・ショップ、アート・マテリアル・ショップ)がアメリカと全然違い、余りにもヨーロッパ的(フランス的?)というのでしょうか、職人さんの手作りで既製品のサイズが少ないのです。
 今から頼むと出来るのがどんなに急いでも一週間後で、値段も非常に高い、ということが解りました。
 何軒か廻ってもそれは変わらず、途方に暮れていると地元の若い人は「アイキア」に行こうと言います。
 はて?
 アイキア?
 何度、聞き返しても解らず若い人の運転する車で連れて行かれたのはスエーデンのインテリア・ショップ、IKEA(イケア)でした。
 IKEAのポスター・フレームを少し手直しして見事、ピッタリの額装が出来上がりました。

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 日本人は外来語を現地の発音で読みますが、欧米では自国の発音で読むことが多いのです。(欧米で多い名前、マイケルはドイツではミハエル、フランスではミッシェル、イタリアではミケーレ、スペインではミゲル。皆、同じ名前です)
 しかし、IKEAがアイキアとは思いませんよねえ。
 久々のターザン・イングリッシュ講座でした!
 

アニメ・ノース

 スコットはアメリカで大西の大きな力になってくれました。
 スコットがしてくれた様々なサポートについてお話ししましょう。

 2004年、スコットはカナダ最大のジャパニーズ・ポップ・カルチャー・ショー「アニメ・ノース」(ANIME NORTH)のスポンサーとなり、大きなブースを出し、イベントを開催することになりました。
 その「アニメ・ノース」のゲスト・オブ・アナーとして大西を連れて行ってくれたのです。
 大西はアート・ショーを開き、レクチャー(講演)、ワークショップなどを開くことになりました。

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 アート・ショーの様子です。

 この頃には大西はLAの友人宅にストックしたリトグラフに日本からの新作を随時、追加して、ニューヨークでもシアトルでも全米に送り出して展覧会ができるようになっていました。
 ちなみに運送会社はUPSです。
 理由はFedexより安いからです。

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 LAのUPS代理店。
 すっかり、おなじみ。

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FC2ブログへようこそ!画家の大西信之です。日本とアメリカのファインアートとポップカルチャーに興味があります。最初は自分の仕事、ゆくゆくはその他の事柄についても取り上げていきたいと思います。

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