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奈良美智

サザビーズのオークションで奈良美智の「ナイフ・ビハインド・バック」が2490万ドル(26億9800万円)で落札されました。

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日本美術史上、最高額の落札です。

今までの最高額は村上隆の「ロンサム・カウボーイ」の1516万ドル(約16億円)でした。
「ロンサム・カウボーイ」についてはこのブログで詳しく書いてきたように実質ボーメの作品でしたから今までの日本美術史上、最高額の作家はボーメだったのです。
言うまでもなく奈良美智は本人がこの絵を描いていますから、最高額の作家はボーメから奈良へと変わったのです。

奈良は現代美術の作家ですがその生き方、制作態度は非常に古典的な画家、芸術家だと思います。

双方のファンに怒られると思いますが(笑)これは岸田劉生の「麗子像」が26億円で落札された!?というくらい大きなニュースなのです。

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ああ。
現代美術の世界は何て面白いのでしょう。

*奈良美智と村上隆についてはこのブログのカテゴリ「現代美術」(左欄外、下)に詳しく書いてあるので興味のある方はクリックしてご覧下さい。

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抽象画

抽象画はロシアのカンディンスキー、マーレヴィッチ、オランダのモンドリアンが始めたと言われています。
非常に西洋的、欧米的なもののため、中々日本人には入りにくいものです。

2019年1月、東京で見た高橋晴美と1998年、ニューヨークで見たフランスのブルーノ・リ・ベイルを並べておきましょう。

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どちらも素晴らしい抽象画です。

現代美術

4月の個展も大成功だったので、ブログのテーマ「現代美術」に戻ります。

最初に書いたように「現代美術」は英語の「コンテンポラリー・アート」(contemporary art) の翻訳で日本では1980年代、バブル期に非常に流行った言葉です。
一度古くなって(流行遅れになって)最近、また復活しました。
このブログでは1990年代から現代にまで至る世界の(主にアメリカの)現代美術と日本の関わりについて書いてきました。
何故、1990年代かというと、この頃初めて日本の現代美術が世界の第一線に立ったからです。
その正確な年と場所、状況などはこのブログのカテゴリ「現代美術」に詳しく書いてあります。
興味のある方はご覧下さい。
一言で言うと、20世紀の終わりから21世紀にかけて欧米で起こった現代美術の大きなムーヴメントは19世紀、フランス、パリを中心に起きた現象と非常に良く似ていました。
その19世紀の現象を「ジャポニズム」と言います。

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これがジャポニズムです。
ゴッホ「歌川広重 大はしあたけの夕立」

もちろん、大西はその現場をリアルタイムでは見ていないのですが、それがどういうものであったかは手に取るようによく解ります。
何故ならジャポニズムと非常によく似た現象を当事者の一人として、リアルタイムで見ているからです。
それはこういうものです。

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アニメリカ「宮崎駿と大西信之」

この現象を仮に「ジャパニーズ・ポップ・カルチャー」と名付けましょう。

19世紀の「ジャポニズム」を知るにはフランスにいなければダメでした。
同じように20〜21世紀の「ジャパニーズ・ポップ・カルチャー」を知るにはアメリカにいなければダメだったのです。
後にこの現象はフランスを始めヨーロッパ各国、続いて世界中に広まりますが、そのスタートはあくまでもアメリカだったのです。

そして、幸運なことに私はこの現象をリアルタイムで体験することができたのです。

大きな絵の話

アメリカの現代美術の話をずっとしてきました。
アメリカの現代美術の最大の特徴はサイズがデカイ、ということです。
 
ほとんどの日本人(アーチスト)がその大きさに驚き、圧倒されてしまいます。
しかし、大西は全く驚きませんでした。
何故なら、若い頃、日本で映画美術や看板描きの仕事をしていて、大きな絵を描くことに慣れていたからです。
日本でやった大きな絵の仕事を紹介しましょう。

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これは、今では世界的なアーチストとなった映画美術の種田陽平と大西がコンビを組んでやったものです。

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見て下さい。このバカデカイ画面。
何と、たて6m、横12mあります。
引きで写真が撮れないくらい、デカイのです。
恐らくどんな日本の画家も、このサイズの画面には尻込みをすることでしょう。
しかし、寺山修司の映画において画家、合田佐和子の助手として大きな絵を2年に渡って描き続けて来た種田陽平と大西にとっては、全く恐るるに足らないサイズだったのです。

*合田佐和子に関しては左欄カテゴリの「寺山修司と合田佐和子」をクリック。

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見て下さい。このコマ送りのような仕事の速さ。絵の進行。

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魔法にかかったように、6m×12mの画面が仕上がっていきます。

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写真の撮影はもちろん大西。あー、今見てもスゴイです。

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このようなサイズの絵を描ける場所は東京にはありません。高崎の古い倉庫を借り上げ、まず、鉄のパネルを組み上げ、画面を造り、泊まり込みで集中的に絵を仕上げるのです。

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引きがないので倉庫の外から撮った写真。

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人物(種田陽平170cm)と比べて絵の巨大さが解ると思います。

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猛スピードで絵が仕上がっていきます。

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6m×12mというのは看板としては日本最大級の規格です。

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田舎の小学校の校舎くらいの大きさがあります。

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当時、大西と種田のコンビは日本の看板業界で注目される存在でした。
大きな写真の看板が技術的にまだ難しかった時代、手描きの看板の需要は非常に大きく、広告代理店が絵の上手い画家にはいくらでもお金を払いました。

大西と種田は絵のタッチがよく似ており、同じ画面の中にあっても全く違和感がありませんでした。
最大の特徴は写真をそっくりに描いたライバルたちの看板に比べ、絵の抑揚やタッチが少しづつ強めで、出来上がって遠くから見ると他の看板よりもはるかによく目立つ、ということでした。
 
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この絵とは違いますが東京、青山の交差点にあった日本一有名な看板もこのコンビによるもので、某J-POPアーチストのMVの背景にも使われるくらい印象的なものでした。

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どうでしょう。
大きな絵の描き方。
普通の(サイズの)絵の描き方がアーチストの仕事だとすると、大きな絵の描き方は土方のような体力、精神力(?)が必要なのです。

このような仕事ができたことは(大西と種田にとって)とても幸運なことだったと思います。
 

イベント、やります!

神保町の「美学校」でトーク・イベントをやります。
5年前に美学校の近くで取り壊された築85年の古いビルと、そのビルで行われたアート・イベントに関する講演です。
改めて、当時、ビルに集まっていた人たちに「同窓会」を呼びかけたいと思います。
美学校の教室をお借りするので500円(ドリンク代)かかるのですが、講演の後、飲み会も予定しているので安めの居酒屋と思って、ぜひ皆さん、ご参加下さい。
6月11日(日)
2時〜4時30分
美学校
千代田区神田神保町2−20第二富士ビル3F
bigakko.jp/event/2017/kudanshita-build

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FC2ブログへようこそ!画家の大西信之です。日本とアメリカのファインアートとポップカルチャーに興味があります。最初は自分の仕事、ゆくゆくはその他の事柄についても取り上げていきたいと思います。

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