第二のジャポニズム 2

日本のアニメが世界中で大流行している。
20年前、そのことを知っている日本人は皆無でした。
アニメの制作会社、アニメを作っている人たちですらそのことを知らなかったのです。
それは江戸時代、日本の浮世絵がフランスで大流行している、ということを知っている日本人が一人もいなかったのと同じです。

では、何故、大西はそれを知っていたのか?

1995年、アメリカのロサンゼルスで開かれた「アニメ・エキスポ」(ANIME EXPO)にゲストとして招待されていたからです。

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当時のアメリカの雑誌。
アニメ・エキスポの公式ホームページによれば2009年はモーニング娘。の年、2010年はAKB48の年、そして1995年は大西信之の年なのです(笑)

*アニメ・エキスポについては左欄カテゴリ「アニメ・エキスポ」を参照。

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第二のジャポニズム

歴史は繰り返します。
しかし、新しいものが現れた時、それが何の繰り返しなのか解らないことが多いのです。
大西がこのブログで書いた1990〜現在までの世界(アメリカ、フランス)のアート・シーンが19世紀のフランスのジャポニズム(日本趣味)の繰り返しだ、ということにほとんどの日本人が気づきませんでした。
しかし、そういうことはこれが初めてではありません。
かつて、19世紀のジャポニズムが日本人に理解されるのには100年かかったのです。

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エドゥアール・マネ「日本趣味」

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シアトルCOCA「日本風の衣装と日本版画」

江戸時代、日本の浮世絵が多数フランスに渡り、ゴッホ、ドガ、ロートレック、マネなど当時、世界の最先端にいる若いアーチストたちに強い影響を与えました。
明治になって鎖国が解け欧米の情報がどっと入ってきた時、アートの分野で最新流行のムーヴメントとして日本に入ってきたのはフランスの印象派でした。
印象派の絵画は明治、大正の日本で多数、複製、印刷され、日本の若いアーチストに強い影響を与えます。
白樺派など日本の若い絵描きは皆、印象派の真似をして絵を描いていたのです。
その頃、印象派の画家たちが日本の浮世絵の強い影響を受けていた、ということを知っている日本人はほとんどいませんでした。
逆に日本の芸術(アート)がダメなのは江戸時代の(浮世絵に代表される)前近代的な体質を引き継いでいるからだ。
日本の芸術を世界に通用させるには江戸時代的なもの、浮世絵的なものを徹底的に否定しなければならない。
学ぶべきは印象派に代表されるフランス的なもの、近代的なものだ、と当時の知識人、評論家は口を揃えて言ったのです。

何という愚かなことでしょう。

世界の美術史の中で近代美術と言えば印象派のことです。
西洋の美術史上初めて王侯貴族やキリスト教会のためでなく、市民社会のために作られた芸術が印象派なのです。
そして、それは江戸時代、浮世絵がまさに幕府や大名、仏教の寺社仏閣のためではなく江戸の庶民のために作られた芸術であった、ということと全く同じなのです。
浮世絵が近代美術の先駆けとして世界の美術史上で高く評価されているのに対し、明治、大正、昭和の日本の近代美術は西洋美術のサルマネと言われ世界では全く評価されていません。

フランスの近代美術、印象派は実は日本の浮世絵の強い影響を受けていた。

このことを日本人が理解し始めたのは昭和も後半になってからでしょう。
大西が子供の頃でもまだ、浮世絵は恐ろしく趣味の悪い古くさく下品なものと思われていました。
日本の知識人、評論家は自分たちが憧れ、崇拝する西洋の偉大な芸術家たちがまさか、自分たちが軽蔑し貶んでいる浮世絵の影響などを受ける訳がない。
そう信じきっていたのです。
そして、20〜21世紀にかけて日本の文化、アート・シーンで全く同じことが起こります。
それが日本アニメの欧米における大流行だったのです。

現代美術

4月の個展も大成功だったので、ブログのテーマ「現代美術」に戻ります。

最初に書いたように「現代美術」は英語の「コンテンポラリー・アート」(contemporary art) の翻訳で日本では1980年代、バブル期に非常に流行った言葉です。
一度古くなって(流行遅れになって)最近、また復活しました。
このブログでは1990年代から現代にまで至る世界の(主にアメリカの)現代美術と日本の関わりについて書いてきました。
何故、1990年代かというと、この頃初めて日本の現代美術が世界の第一線に立ったからです。
その正確な年と場所、状況などはこのブログのカテゴリ「現代美術」に詳しく書いてあります。
興味ある方はご覧下さい。
一言で言うと、20世紀の終わりから21世紀にかけて欧米で起こった現代美術の大きなムーヴメントは19世紀、フランス、パリを中心に起きた現象と非常に良く似ていました。
その19世紀の現象を「ジャポニズム」と言います。

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これがジャポニズムです。
もちろん、大西はその現場をリアルタイムでは見ていないのですが、それがどういうものであったかはよく解ります。
何故ならジャポニズムと非常によく似た現象を当事者の一人としてリアルタイムで体験しているからです。
それはこういうものです。

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これが20〜21世紀に起きたことです。
この現象を仮に「ジャパニーズ・ポップ・カルチャー」と名付けましょう。

19世紀の「ジャポニズム」を知るにはフランスにいなければダメでした。
同じように20〜21世紀の「ジャパニーズ・ポップ・カルチャー」を知るにはアメリカにいなければダメだったのです。
後にこの現象はフランスを始めヨーロッパ各国、続いて世界中に広まりますが、そのスタートはあくまでもアメリカだったのです。

そして、幸運なことに私はこの現象をリアルタイムで体験することができたのです。

個展、終わりました

「大西信之展 アメリアの肖像」無事終わりました。
皆さん、ありがとうございます。
これは、アメリカのセントルイスからはるばるやって来た大西の母方の親戚。

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個展、やります

個展やります。
去年このブログでも触れたフランスの友人がニュースを送ってくれたアメリカの女性飛行家、アメリア・イアハートに関する展覧会です。
「大西信之展 アメリアの肖像」
3月26日(月)〜4月6日(金)
11時〜6時
日休 最終日4時
あらかわ画廊
銀座1−10−19
TEL 03−3566−5213
皆さん、いらっしゃって下さい。

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プロフィール

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FC2ブログへようこそ!画家の大西信之です。日本とアメリカのファインアートとポップカルチャーに興味があります。最初は自分の仕事、ゆくゆくはその他の事柄についても取り上げていきたいと思います。

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